およそ2年ぶりにゲームレビューを書きました。
※ PS2版のレビューと併せてご覧ください。
【関連記事】 ドラゴンクエストV 天空の花嫁 (PS2版) (2008.07.13 Sun)
■ 公式サイト ■ Suifu
PS2にリメイク作品として発売されたものをベースに,DS用ソフトとしてリリースされたのが本作である。ストーリーやシステムに大きな変化はなく,細かい追加要素や修正点が主である。今回はゲームの概要を省いてDS版の追加要素を中心に書いていきたいと思う。
※若干ゲームの内容に踏み込んでいる記述(微妙なネタバレ)もありますので,そこのところはご了承いただきたいと思います。なお,完全なネタバレ話は別記する予定です。
まず,DS版最大の追加要素と謳われているのが「第3の花嫁候補」の存在だ。本作は物語中盤で主人公が「結婚」イベントを迎え,「ビアンカ」もしくは「フローラ」を選択しなければならないのだが,今回そこに「デボラ」というキャラクターが追加された。
率直に言ってしまえば,デボラはまさしく「取って付けました追加要素」。出会いや花嫁選択に至るまでの過程においてあまりに不自然であって,それでいてその違和感を補完するエピソードもないまま人生最大の決断を迫られるシーンに突入してしまう。初めて本作をプレイする人にとってはとりわけ「このデボラというキャラクターはなんなんだ?」という印象を抱くのではないだろうか。なお,デボラというキャラクター自体もなかなかクセが強く,好み云々以前に初プレイの人は素直に「ビアンカ」もしくは「フローラ」から選択したほうが無難である。
本作の「モンスターを仲間にする」システムはもちろん健在で,DS版ではさらに2体のモンスターが追加されている。詳細は控えるが,どちらも新規モンスターである。既存モンスターからの追加ではないこと,そして「なぜこの2体なのか?」ということに若干の疑問を抱いてしまった。
モンスターを仲間にする方法は,「モンスターを倒すだけ」である。倒した後に,起き上がって仲間になりたそうに・・・するか,否か。完全に確率だけである。仲間になりやすいものとそうでないものとの差が大きく,なりにくいものは数百回倒してもまったく起き上がってくれないのは極端な話ではない(もちろん数回,もしくは1度の戦闘で仲間になる場合もある。あくまで“確率”の問題であるからだ)。
さて,これが終盤,もしくはクリア後ならば狙ったモンスターを根気よく倒し続ければいいだろうが,物語の序盤や中盤でお目当てを狙ってモンスターを倒し続けると,どうなるか?・・・当然レベルが上がりすぎたことで戦闘バランスは崩れてしまい,以降の冒険の進行にも(あまり良いとは言えない)影響を与えてしまう。物語が進めば進むほど,モンスターの仲間になる確率は低くなる一方で,こういた傾向になりがちである。遊び方は各人異なってしかるべきだが・・・このシステムが一見自由度が高いようで,案外低いものなのかもしれない。
『ドラクエVII』から導入された「会話システム」は新作・リメイク問わず,もはや「ドラクエを楽しむ」上で欠かせない要素となっている。膨大な量のテキストが用意されており,コマンドの「はなす」を選択することで,連れている仲間が臨機応変にメッセージを発する。オリジナルであるSFC版しかプレイしていない人なら,このシステムだけでも十分に楽しむことができるはずだ。「デボラ」という新たな花嫁を選択することで,PS2版の人も満足できるだろう。(デボラというキャラクターに抵抗がなければの話だが・・・)
だが,ここでひとつ問題点が生じる。この会話システムは主人公と「人間」との間でしか成立し得ない。仲間モンスターに話しかけたところで「ピキキー。」だの「そりゃっ!うりゃっ!」だのといった簡素で味気ない(しかも1フレーズのみ)メッセージしか用意されていない。主人公が魔物使いであっても,さすがにモンスターとの会話は無理のようである。
ところが本作は,先述したように「モンスターを仲間にすることができる」というシステムが大きなウェイトを占めている。仲間モンスターが総勢60以上用意されている一方で,人間のキャラクターは奥さんや子どもたち含め数名である。終盤になればなるほど,モンスターを連れ歩く機会も増えてくるだろう。時には4人パーティのうち主人公のほか3体(もしくは4体とも・・・)がモンスターで構成されるパーティを組み,その際に会話システムが生かされないもどかしさを感じるかもしれない。
PS2版同様に「名産品」を集める要素はあるが,「すべて集めよう!」というモチベーションは保ちにくい。ただ,名産品にまつわるいくつかの追加イベントには価値がある。「すごろく場」も数多く設置されており,ヤケに制作者の力が入っているように感じられるが・・・楽しさに直結していない気はする。
新たな隠しダンジョンや仲間にできるモンスターの増加といった追加要素の方が需要があったのでは?と個人的には思うのだが,残念ながらそういった類のものは用意されていない(追加モンスターは上記のように2体のみ)。これまで述べたように,細かい変更点はあるものの,本作の位置づけは「PS2版+デボラ」という認識でよさそうな気がする。PS2版をプレイ済みで,DS版の追加要素に期待している人にとっては,正直物足りない印象を受けるかもしれない。
※ PS2版のレビューと併せてご覧ください。
【関連記事】 ドラゴンクエストV 天空の花嫁 (PS2版) (2008.07.13 Sun)
■ 公式サイト ■ Suifu
PS2にリメイク作品として発売されたものをベースに,DS用ソフトとしてリリースされたのが本作である。ストーリーやシステムに大きな変化はなく,細かい追加要素や修正点が主である。今回はゲームの概要を省いてDS版の追加要素を中心に書いていきたいと思う。
※若干ゲームの内容に踏み込んでいる記述(微妙なネタバレ)もありますので,そこのところはご了承いただきたいと思います。なお,完全なネタバレ話は別記する予定です。
まず,DS版最大の追加要素と謳われているのが「第3の花嫁候補」の存在だ。本作は物語中盤で主人公が「結婚」イベントを迎え,「ビアンカ」もしくは「フローラ」を選択しなければならないのだが,今回そこに「デボラ」というキャラクターが追加された。
率直に言ってしまえば,デボラはまさしく「取って付けました追加要素」。出会いや花嫁選択に至るまでの過程においてあまりに不自然であって,それでいてその違和感を補完するエピソードもないまま人生最大の決断を迫られるシーンに突入してしまう。初めて本作をプレイする人にとってはとりわけ「このデボラというキャラクターはなんなんだ?」という印象を抱くのではないだろうか。なお,デボラというキャラクター自体もなかなかクセが強く,好み云々以前に初プレイの人は素直に「ビアンカ」もしくは「フローラ」から選択したほうが無難である。
本作の「モンスターを仲間にする」システムはもちろん健在で,DS版ではさらに2体のモンスターが追加されている。詳細は控えるが,どちらも新規モンスターである。既存モンスターからの追加ではないこと,そして「なぜこの2体なのか?」ということに若干の疑問を抱いてしまった。
モンスターを仲間にする方法は,「モンスターを倒すだけ」である。倒した後に,起き上がって仲間になりたそうに・・・するか,否か。完全に確率だけである。仲間になりやすいものとそうでないものとの差が大きく,なりにくいものは数百回倒してもまったく起き上がってくれないのは極端な話ではない(もちろん数回,もしくは1度の戦闘で仲間になる場合もある。あくまで“確率”の問題であるからだ)。
さて,これが終盤,もしくはクリア後ならば狙ったモンスターを根気よく倒し続ければいいだろうが,物語の序盤や中盤でお目当てを狙ってモンスターを倒し続けると,どうなるか?・・・当然レベルが上がりすぎたことで戦闘バランスは崩れてしまい,以降の冒険の進行にも(あまり良いとは言えない)影響を与えてしまう。物語が進めば進むほど,モンスターの仲間になる確率は低くなる一方で,こういた傾向になりがちである。遊び方は各人異なってしかるべきだが・・・このシステムが一見自由度が高いようで,案外低いものなのかもしれない。
『ドラクエVII』から導入された「会話システム」は新作・リメイク問わず,もはや「ドラクエを楽しむ」上で欠かせない要素となっている。膨大な量のテキストが用意されており,コマンドの「はなす」を選択することで,連れている仲間が臨機応変にメッセージを発する。オリジナルであるSFC版しかプレイしていない人なら,このシステムだけでも十分に楽しむことができるはずだ。「デボラ」という新たな花嫁を選択することで,PS2版の人も満足できるだろう。(デボラというキャラクターに抵抗がなければの話だが・・・)
だが,ここでひとつ問題点が生じる。この会話システムは主人公と「人間」との間でしか成立し得ない。仲間モンスターに話しかけたところで「ピキキー。」だの「そりゃっ!うりゃっ!」だのといった簡素で味気ない(しかも1フレーズのみ)メッセージしか用意されていない。主人公が魔物使いであっても,さすがにモンスターとの会話は無理のようである。
ところが本作は,先述したように「モンスターを仲間にすることができる」というシステムが大きなウェイトを占めている。仲間モンスターが総勢60以上用意されている一方で,人間のキャラクターは奥さんや子どもたち含め数名である。終盤になればなるほど,モンスターを連れ歩く機会も増えてくるだろう。時には4人パーティのうち主人公のほか3体(もしくは4体とも・・・)がモンスターで構成されるパーティを組み,その際に会話システムが生かされないもどかしさを感じるかもしれない。
PS2版同様に「名産品」を集める要素はあるが,「すべて集めよう!」というモチベーションは保ちにくい。ただ,名産品にまつわるいくつかの追加イベントには価値がある。「すごろく場」も数多く設置されており,ヤケに制作者の力が入っているように感じられるが・・・楽しさに直結していない気はする。
新たな隠しダンジョンや仲間にできるモンスターの増加といった追加要素の方が需要があったのでは?と個人的には思うのだが,残念ながらそういった類のものは用意されていない(追加モンスターは上記のように2体のみ)。これまで述べたように,細かい変更点はあるものの,本作の位置づけは「PS2版+デボラ」という認識でよさそうな気がする。PS2版をプレイ済みで,DS版の追加要素に期待している人にとっては,正直物足りない印象を受けるかもしれない。
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